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逆指値注文勉強会(基本編)|ストップの考え方を変えるだけで勝率もPFも大幅に変わる

トレード手法

本記事では、トレードを仕掛けると同時に設定する「逆指値(ストップ)注文」の基本的な考え方について、一般に語られるプライスアクションパターンを例に紹介します。

逆指値注文(損切り位置の確定)はトレードを行うかどうかを決める重要な要素のひとつです。逆指値の考え方ひとつ変わるだけで、トレードの考え方だけでなく結果(残高)が驚くぐらい変わるということを実感していただけたらと思い、記事にしました。

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はじめに

多くの書籍や動画・WEBサイトでは「どのようなパターン(条件)でトレードを仕掛けるか」について多くの手法が紹介されていますが、「損切り」や「逆指値」についてはあまり書かれていないと思います。その様は「その手法は必ず成功するから逆指値など不要だ」と言わんばかりです。

しかし、トレード「手法」において一丁目一番地といえるのは、いつ仕掛けるかよりもその仕掛けの損切りはどこでするのかについて学ぶことだと私は思います。そもそもストップが決まらないことにはトレードを執行するかどうかの判断もできませんし、ロットサイズも決められないからです。

当サイトでも本記事を公開するまでは、逆指値に関する具体的な内容はボルマン本・ブルックス本的手法にて軽くまとめただけにすぎませんでした。それだけ私自身損切りに無頓着だったと言えます(だから長い間結果が出なかった)。

しかもどちらの本もスキャルピングに偏った(寄った)内容であるため、デイトレード・スイングトレードに適してない逆指値ルールです。つまり、多くのトレーダー・手法に沿ってない損切り手法だといえます。

そこで本記事では、トレードを仕掛けると同時に設定する「逆指値注文」の基本的な考え方について、一般に語られるプライスアクションを例に紹介します。

逆指値注文の基本的な考え方(上昇チャネル時のロング)

上図のような上昇トレンド(上昇チャネル)において、トレンドラインで反発したところで買い、直近高値到達で利確するトレードを例に、適切な逆指値注文位置について考えたいと思います。

細かい仕掛けタイミングについてはここでは省きますが、「トレンドライン近辺で反発した」と思える挙動をローソク足で確認したことで買いを仕掛けようとしているとします。

安値A地点を「安値」と確定するにはまだ早いと考え、さらにプライスアクションを待ち、小さく安値を切り上げた後に仕掛けました(下図)。

大衆が「トレンドラインで反発して安値Aから上昇が再開した」と判断しそうなタイミングで、上昇する確率(トレンドが継続する確率)は安値A地点で買うよりも高いといえそうです。

理屈(ダウ理論)からして「適切でない」逆指値位置

上記のような場面で仕掛けたとして、「逆指値をどこに置くか」と尋ねられると、もしかしたら「小さく安値を切り上げたレート(安値B)の少し下に置く」と思われるかもしれません(下図)。

この逆指値の場所は一見合理的に見えるかもしれません。しかし……理論的、具体的にはダウ理論的に適切でないといえます。


例えば再度安値Aを試すような展開が生じ、安値Aを切り下げない安値B’を記録してから上昇するような展開が生じた場合(わりとよくある)、トレンドが崩れていないにも関わらずポジションだけはきっちり狩られてしまいます(上図)。

「安値Aで大きい波動(流れ)の安値を付けた」
「安値Aが直近安値となってここから再びチャネル内を上昇する」

予想通りの展開が生じたのになぜかポジションはないどころか残高が減っています。これはたまったものではありません。

このようなことは多くの方が経験したことがあるのではないでしょうか。(私はこのようなパターンを嫌というほど経験したが、「そういうもの」と割り切って損切りの考え方を改めなかったが故に、安定して利益を得られるようになるまでお金だけでなく時間も無駄にした)

トレンドに対して適切ではあるが理屈としては「適切でない」逆指値位置

安値Bの下におくのは適切ではない(ハイリスクすぎる)ということで、安値Aの下に置くとします(下図)。これだとトレンドが崩れた(トレンドラインを明確にブレイクし、安値Aを下回った)ときに損切りがされることになります。

例えば下図のように再度安値Aを試したものの安値を切り上げるような安値(ダブルボトム)を記録してから反発した場合、ポジションは損切りされずに済みます。


トレンドラインを一時的にブレイクするようなことがあったとしても、ダブルボトムとなって再度反発すればポジションは無駄に損切りされることありません。一時的に含み損を抱えますが、最終的には想定方向に進み成功となります。トレンドは崩れてない、だから損切りをする必要がないし損切りはされなかったという例です。


明確にトレンドラインをブレイクして安値を更新した場合(上図)は、ポジションは損切りになります。トレンドラインをブレイクした後はそのまま下げ続けることもありますし(急落パターン)、プルバックしてトレンドラインまで到達したあと反転することも考えられます(パターンブレイクプルバック)。

ということで安値Aの少し下に置くのがこのトレードにおける「適切な逆指値位置」となります……でしょうか?下図のようなパターンを考えてみたいと思います。

安値Aが直近安値になる……と思ったら更新され、安値Aの下で記録した既に確定している安値(直近安値)を試したとします(つまり安値Aは新たな「直近安値」とならなかった)。

トレンド(チャネル)はブレイクされましたが、高値切り上げ・安値切り上げの構図が継続しており、いわゆる「ダウ理論」的な解釈ではアップトレンドが継続していることになります。しかしポジションは損切りされ、損失だけが残る形となっています

多くの人がトレンドについて考える際にダウ理論(の一部)である「高値・安値の切り上げ・切り下げ」を参考にすると思いますが、安値Aの下に逆指値を置くという方法では、

  1. ダウ理論的にトレンド(アップトレンド)が継続しており、
  2. そのトレンドが継続することに賭け、
  3. 予想通りに進んだ

はずなのにトレードは失敗に終わってしまう可能性があるわけです。

理屈として「適切な」逆指値位置

上記の一連の失敗パターンを単に「運が悪かった」「ツイてなかった」と片付けるのもいいですし、検証において利益を最大化できると判断した上で行っているのであれば否定する気はありませんが(決して「絶対ダメな損切り位置」というわけではない)、ダウ理論的解釈で「適切な位置」にストップを置きたいと考えるのであれば、「既に安値として確定している前回安値(直近安値)より下」に逆指値を設定するのが適切ということになります(下図)。

この逆指値位置の場合、安値Aを試してから反発するような場合や(下図)、

トレンドラインをブレイクし安値Aを下回ったが直近安値を下回らなかった場合において、損切りにかかることはありません(下図)。

ポジションが損切りされる時は、前回安値を下回る(=ダウ理論的にアップトレンドからトレンドレスに切り替わる)ときです。いわゆる「ダウが崩れた」と呼ばれる状態になったときに初めて損切りがなされることになります。

ダウが崩れたからポジションを閉じた……非常に合理的です

それでも逆指値を安値Bや安値Aの下に置くのが「合理的」と考えてしまう理由

それでもわりと多くのトレーダーが、上記の条件において、「合理的な損切り位置は安値B(安値A)の下」と考えてしまいます(※「多くのトレーダー」というのはあくまで筆者の推測。もし大半のトレーダーが安値Bの下でなく安値Aの下に置くと考えられるのであれば、トレーダーで利益を上げている人の割合が5%だとかそんな割合ではないはず……)

このような判断をしてしまう理由として大きく2つの候補が考えられます。

理由1:必要経費を払いたくない

1つ目は、ストップをより近くに置くことで、損切りに至った場合の被害を最小限に抑えられると錯覚しているからです。ロットサイズをほぼ固定で仕掛けているタイプのトレーダーにありがちなパターンです。

たしかに、逆指値の位置が建値に近ければ近いほど損失(1回あたりの損切り額)を抑えることはできるかもしれませんが、上記で示したように成功していたはずのトレードが失敗に終わる確率が上がります。勝率が下がって利益(PF)も低下するので、精神的にトレードをすることが辛くなっていくと思います(本来うまくいってたはずだからなおさら)。

一番危険なのは、このような失敗を重ねることでついにストップを置かなくなり、トレンドラインをブレイクしたあともロスカットされるまで塩漬けにするパターンです。ストップを置かなかったことで着実に含み損を増やし、建値に戻ってくるまでお祈りしているトレーダー(厳密には「トレーダー」と呼称すべきでないのかもしれない)をSNSや動画サイト等で一度は見たことがあるのではないかと思いますが、本記事を読んだ方にはそうなって欲しくないと切に願います。

理由2:一気に儲けたい

2つ目は、ストップをより近くに置くことでロットサイズをより大きくし、一回のトレードでの利益を大きくしたいと考えるからです。ロットサイズを損切り幅に応じて調整する(1回の損切りを資産の数パーセントとする)タイプのトレーダーにありがちなパターンです。

ストップが遠くなると資金管理ルール上ロットサイズが小さくなって、うまくいっても利益が小さくなると思うかもしれません。が、合理性を欠いてまでストップを近づけるてロットサイズを大きくすることは、かえって利益が減ってしまいかねないということは、上記の例からもお察しいただけるかと思います。

(もしある程度の勝率がすでにあって、)1回あたりのトレードの利益を増やしたいのであれば、損切りを近づけてロットを増やすのではなく、運用資金を積み増すことで単位パーセントあたりの額を上げ、ロットサイズを増やすことが最も合理的です。そうすれば結果的に勝率も利益も大幅に増え、1年ほど経過したときには望外の収益が得られていると思います。

Man
損切り位置を近づけることで損切り額を減らそうとしたり、1回あたりの利益を増やそうとすると、ろくなことがないですね。

ここまでのまとめ

チャネルを形成するようなアップトレンドが生じているときに、上記のような位置で買いを仕掛けようとした場合、逆指値を……

  1. 安値B(下位時間足レベルの安値)の下に設定する
    ⇒トレンド(=チャネルパターン)・ダウ理論におけるアップトレンドが継続しているにも関わらずランダムウォーク的な値動きによってポジションが切られる可能性がある(適切ではない、損切り貧乏の典型)
  2. 安値A(直近で反発した安値)の下に設定する
    ⇒トレンド(=チャネルパターン)が継続する範囲内でポジションが維持されるが、ダウ理論におけるアップトレンドが継続しているにも関わらずポジションが切られる可能性がある(必ずしも不適切とはいわないまでもリスキー)
  3. 既にダウ理論的に「安値」と確定しているレートの下に設定する
    ⇒トレンド・ダウ理論におけるアップトレンドが継続する限りポジションは切られない。ダウ理論におけるアップトレンドが崩れた場合に損切りがされる(適切な損切り位置)

その他基本的なプライスアクションの逆指値位置例

ここでは逆指値の例を示すにとどめ、細かいエントリーのタイミングなどについては省略しています。

下降トレンドラインでのショート

上記で説明した上昇トレンドライン(上昇チャネル)の逆バージョンです。

トレンドというわりにはちょっとレンジに近い傾斜ですが、例ということで……

ダブルトップでのショート・ダブルボトムでのロング

ダブルトップ、ダブルボトムとしてますが、上図はトレンドがある中でのダブルトップベアフラッグブレイクでのショートと、ダブルボトムブルフラッグブレイクでのロングです。

さらに短い時間足で仕掛ける場合(≒利確位置が近い場合)なら、仕掛け足の直前の高値の少し上(ダブルトップ側)や、仕掛け足の直前の安値の少し下(ダブルボトム側)にストップを置く方法も考えられます。

パターンブレイク時の仕掛け

いわゆるポール・フラッグ・スイングの波動のスイング狙いのロングです。

ポールに相当する波動を狙う場合、ストップは上図に置くことが最も合理的と考えます。

直近安値があまりにも仕掛け足から遠く、かつ直前にベア派が仕掛けて失敗したようなダブルボトムの形跡などがあれば、ダブルボトムの少し下にストップに置くという考え方もできます。その場合、ダウ理論的にアップトレンドが継続していると判断できるにも関わらず損切りに合う可能性があることを承知しないといけません。

パターンブレイクプルバック時の仕掛け

(上昇)トレンドラインをブレイクし、ラインを延長した先までプルバックしてきたパターンです。

特にトレンドラインを試して反発した後に仕掛けると、aを高値と断定して高値aの上にストップを起きがちですが(私が長年それをし続け、そして長年失敗した^^;)、aがダウ理論的に直近高値と決まる(断定していい)のは図中の最安値レートを切り下げた時になるため、仕掛ける時点でaを直近高値と断定するのはダウ理論的には適切とはいえません(下位時間足まで落とし込めばaを直近高値と判断できる場合もある)

レンジ相場(トレーディングレンジ)での逆張り

上図左側で既に抵抗線と支持線で弾かれる展開が幾度となく続いているという前提での、支持線反発ロングと抵抗線反発ショートです。

さいごに:逆指値を極めることは、安定した利益を手にするための最重要要素でありトレードの基礎である

損切り位置を考え直しているベア派(イメージ)

エントリー(約定)するタイミングは相当トレーニングを積んでも見誤ってしまうことが多々ありますが、「エントリーに対して設定すべき逆指値の位置」は、トレーニング(経験)次第でミスをゼロレベルまで抑えることができると考えます。

そうすると、本来プライスアクション的には理想的でなかったかもしれないエントリーでさえ、結果的に利確で終えられるという可能性が出てきます(トレンドが生じているときにトレンドフォローさえできていれば)

しかし、逆指値の位置が合理的でなければ、どれだけ正確なプライスアクションの分析における仕掛けであっても、無駄に損切りを強いられることになりかねない……ということが本記事で伝わっていれば幸いです。

プライスアクションの基本的なパターンを理解した上で、「このレートを下回ったら(上回ったら)本来考えていた想定から外れる」という合理的な位置にストップを置けるようになることが、安定して資産を増やす重要な要素だと、私自身今になって強く感じます。

もちろん逆指値だけでなく、エントリータイミング(トレードルール)そのものや、周期的(サイクル)な波動の分析(≒マルチタイムフレーム分析)、優位性を確認するための分析・検証なども結果を残すための重要な要素ですが、比較的確実に適切に処理できる「逆指値の設定」を理解することは、他のスキルよりも比較的習得しやすい割に結果に直結しやすい高コスパ要素だと思います。

まずは完成されたチャートから自身のルールで仕掛けられる・仕掛けるべき足を探し、それに対するストップ位置を考えるところからスタートだと思います。この工程に関しては別にForex Tester 5でなくても、それなりに古いチャートが確認できる無料のアプリ・ツールを用いれば問題ないと思います。

完成されたチャートでの分析がある程度進んだら、今度は動きの中で同じ考えができるかのチェックに回ります。この工程に関してはForex Tester 5がとても便利なツールとして機能すると思います。


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