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サイクル理論分析の実践例:EURUSDの長期~メジャーサイクルを分析

 この記事では、実際にサイクル理論に基づいてサイクルボトムを分析する過程を公開しています。

 今回分析した通貨ペアはEURUSD(ユーロドル)で、長期サイクル(EC)1個分のプライマリーサイクル(PC)と、中期サイクル1個分のメジャーサイクル(MC)を分析しました。

 全体的な傾向として、ドルストレート系通貨ペアは分析がしやすく、反面ポンドが絡むと分析しづらいので、始めはユーロドルやオージードル(AUDUSD)あたりの分析を推奨します。

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ユーロドルのサイクル周期基本データ

まずは、ご参考までに私自身の分析(2017年頃実施)によるEURUSDの各サイクルの基本周期を紹介します。

EURUSDの基本サイクル構成

  • 1EC = 3SC
  • 1SC = 4PC
  • 1PC = 4MC
  • 1MC = 2TC
  • 1TC = 3AC

 EURUSDの基本的な(よくある)サイクル構成は、上の数式の構図です。

1つの長期サイクル内に3個の中期サイクルがあり、また12個前後のプライマリーサイクルがあるのがEURUSDの基本構成です。

長期サイクル1個の中に3個の中期サイクル
中期サイクル1個の中に4個のプライマリーサイクル
プライマリーサイクル1個の中に4個のメジャーサイクル

の、344という構成がメジャーです。もちろんそうならないパターンも存在します(例えばプライマリーサイクルが3個しかない中期サイクルなど)

 理屈では、長期サイクル1個あたりだいたい12個のプライマリーサイクルが存在することになります。

 今回は対象外ですが、メジャーサイクル以下のサイクル構成は、メジャーサイクル1個あたり2個のトレーディングサイクルトレーディングサイクル1個あたり3個のアルファサイクルが最もメジャーな構成です。

 1TC=3AC構成は比較的トレードの筋道を立てやすく、数日~1週間レベルのポジション保有に適した通貨ペアといえそうです。

EURUSDのサイクル周期カウントデータ

サイクル 中期サイクル
(SC)
プライマリーサイクル
(PC)
メジャーサイクル
(MC)
単位
平均値 21.2 25.4 32.7
中央値 20 26 32
最頻値 19 19 29
偏差 4.5 5.5 7.5

 つづいて、各サイクルの平均周期や最頻値などをまとめたデータが上の表です。

 長期サイクルについてはサンプル数が少なすぎるので省略しています。中期サイクルもサンプル量が少ないので、参考程度の数値と思っていただければ幸いです。

 プライマリーサイクルの平均値25.4週は、他の通貨ペアと比較して長めの周期という印象です。

 反面最頻値は19週というデータもあり、長いというインプットをしていると安値が通り過ぎた……なんてこともあるかもしれませんので要注意です。

 中期サイクルの終盤になればなるほど、プライマリーサイクルの周期は短い……というような傾向があればよいのですが、あまりそのような相関性はなく、第1PCで17週ということもあれば、第4PCが30週を超えているような例もあります(当時の自分の分析能力をやや疑いたくなりますが)。

作業1:長期サイクルボトム(EC)の分析

 ここからは実践作業として、新規の状態からサイクル分析を行っていく様子を紹介します。

 通貨ペアはEURUSD、分析期間は2003年5月~2018年10月で、チャートデータはデューカスコピー・ジャパンよりダウンロードしたヒストリカルデータを使用し、チャートを表示するためのツールはForex Tester 3を使用しました。

EURUSD 月足

最安値=長期サイクルボトムの可能性極めて高い

分析期間内で一番の安値(底値)は2017年1月でした。

 ある程度の長期的なチャートデータを取得していれば、そのデータの中で最も安値を記録している足は長期サイクルボトムの可能性が極めて高いと考えられます。

 また、その足は長期サイクルよりもさらに長期なサイクル(超長期サイクル)である可能性があります。

 長期サイクルを超える数十年レベルのサイクルに関しては、分析したところであまりトレードに活かせられないため、分析する必要ないです。
 超長期サイクルの分析は、趣味とか研究者向けのサイクルといえます。

SCボトムとセットで探すのもアリ

 中期サイクルボトムは長期サイクルと同じく月足レベルで分析するのが基本的な手法なので、中期サイクルレベルを分析しつつ、その中で程よく底を打っている足を長期サイクルボトムとするのが効率的な分析手法といえます。

 そのため、ここからは中期サイクルの分析と合わせて長期サイクルの分析を行っていきます。

作業2:中期サイクル(SC)の分析

「目立った安値」をマークしていく

青矢印がいわゆる目立った安値です。

 長期サイクルの分析時に見つけた「一番安い足」は深く考える必要がないわけですが、それと同じくらい目立っている足(安値)は長期サイクルや中期サイクルボトムである可能性が高いのでマークしていきます。

 ここでいう目立った安値というのは、往々にして前後数本にわたって対象の安値を下回る足がない足のことを指しています。

基本周期は意識しつつも意識せずに見ていく

 上記記載の周期(平均値や中央値)はあくまで参考値であって、そのとおりの周期でボトムを打つとは限らないことに要注意です。

 「偏差」の数値から分かるように、平均値からプラスマイナス偏差の範囲内ですら出現率は68.3%です。

 値は意識しつつもあまり意識せずに安値をチェックしていくことをオススメします。

※:偏差の概念は筆者個人の考え(仮説)によるもので、過去の偉大なサイクル分析者は標準偏差に基づく周期のバラつきについては言及していません(私の調べる限り)。
 よく言われている「周期のバラつき度合い」は、『平均値に1/6を割った値がブレの範囲(通称:オーブ)で、周期は(平均値±オーブ)の内に80%収まる』というものです(平均が18なら、15~21の間に収まる確率が80%)。

 私は最初のうちはサイクル投資法マスターブックに記載されている周期にやや執着しすぎて、

ここのサイクルの周期が本の値から離れている、おかしい!

 というような錯覚に陥って分析が進められなくなった経験があります。

 完璧なサイクルなど存在しないので、ある程度の誤差を許容するのが大切です。

候補が決まれば平均値に基づいて絞っていく

青:残った候補、グレー:消えた候補

 中期サイクルボトムの足がある程度挙がったところで、データによる平均周期を活用していきます。

 (私は)EURUSDに関しては過去に分析したデータやサイクル本(サイクル投資法マスターブック)を参考にすることができますが、データがない場合は手探りの中絞っていくことになります(難易度アップ)。

 私自身がサイクル投資法マスターブックにない銘柄で実施した例としてはゴールド(XAUUSD)やランド円(ZARJPY)、ビットコイン(BTCJPY)などです。
 データがない分自由に考えられる面白さもあります。

 具体的には、5ヶ月しかない中期サイクルや40ヶ月ある中期サイクルは考えづらいといった考え方から、そのような値となるサイクルボトムを消したり追加したりしていきます。

 この作業を終える頃にはだいたい長期サイクルと中期サイクルの目星は立つかと思います。

残った候補をラインに変えました。

EURUSD中期サイクル(長期サイクル)最終結果

2005年~2018年10月までの長期サイクルと中期サイクルの分析結果は、下図のようになりました:

赤:長期サイクルボトム、濃桃:中期サイクルボトムです。

考えられる諸説について

 特別難易度は高くないと思いましたが、意見が分かれそうなポイントが2点あります。

 1点目は、2005年11月から始まる長期サイクルの第1中期サイクルボトムの位置です。考えようによっては下図の矢印の位置にボトムがあってもおかしくありません。

青矢印2つがボトムで、今回付けたボトムがボトムでないという説です。

 上記の期間は目に見えて「安値を付けた」という足が見当たらず、サブプライムローン問題を発端とした急落が起こる2008年中盤まで上昇の一途をたどっているので、難しいところです。

 だからといって、2008年10月(お馴染みリーマンショックの急落の月)の安値までボトムを付けない35ヶ月サイクルというのはちょっと長すぎる気がするので、2007年6月につけた安値を第1SCボトムとしています。

 改めてリーマンショック前後の足を見ると、12月に急騰してたんですね。
 一切相場を見てなかったので当時の雰囲気は知らないのですが、さぞかし難しい相場だったことは想像に難くありませんね。

 2点目は、2013年11月は中期サイクルボトムではないのか?という点です。

青矢印が指す安値が2013年11月の安値です。

2013年11月を中期サイクルボトムとする考えも大いにあると思いますが、

  • 第1ECの基本周期に対して短すぎる(それでいて2013年11月の足が長期サイクルボトムではなさそう)
  • 高値と安値の中にすっぽりと収まるサイクルの構図に違和感がある

 という2つの理由から中期サイクルボトムには指定していません。

 その結果、32ヶ月というやや長期な中期サイクルが出来てしまいましたが、この程度のブレならあるかな…ということで結論づけています。

このあとにプライマリーサイクルボトムの分析に入るわけですが、この32ヶ月周期の中に6個も7個もPCボトムがありそうなら、32ヶ月説はボツにしようと考えます。

作業3:プライマリーサイクル(PC)の分析

 中期サイクルボトムの分析が完了したら、次はプライマリーサイクルへと移ります。

 今回は、2005年11月~2010年6月までの長期サイクル1個分のプライマリーサイクルを分析したいと思います。

PCボトムは週足で見つける

 プライマリーサイクルボトムは、週足で分析するのが最も妥当です。

 月足だとPCボトム候補を逃す可能性があり、逆に日足だと候補の足が多すぎるので分析に適していません。

まずはEC, SCボトムの修正から

月足→週足に変えた直後のEC, SC各ボトムのラインです。本来の安値の位置からズレているラインが複数確認できます。

 長期サイクルボトムと中期サイクルは月足で分析したため、週足に表示を変更すると縦ラインが月の最初の足にかかっているかと思います。

 週足だと本来の安値の足を捉えてない可能性が高いので、その場合は修正を施してあげましょう(見栄えの問題だけかもしれませんが……)。

修正後のラインです。

やることはEC, SCと変わらない

 プライマリーサイクルやこの後のメジャーサイクルもそうなのですが、結局分析手法としては中期サイクルの分析で行ったことと大して変わりません

 基本的なサイクル理論の原理と正しくないボトムの選定法に気をつけて分析すれば問題ありません。

※原理や正しくないボトムの選定法については後日紹介します

 変わるのは分析対象のローソク足が週足になったことと、ボトム候補足が増えることくらいです。

ラインを表示させる時間足は週足以下にしておいたほうがいい

プライマリーサイクルボトムを示すラインの表示設定です。もし周期をテキストで書き残すならテキストもこの表示設定にします。

 これはMT4やForex Testerなどで、本記事と同じようにラインを引いてサイクルボトムを分析しようという方向けの豆知識です。

 プライマリーサイクルを表示させる時間足の設定は、週足以下にしておくことをオススメします(月足では非表示にする)。

 プライマリーサイクルボトムのラインが週足に表示されると、いわゆる「うるさいチャート」になります。

 ましてやそこからメジャーサイクルやアルファサイクルまで月足に表示されたら、月足はカラフルな縦線で埋まってもう分析どころでなくなってしまいます。

 なので、PCの最初の1本目で表示する時間足を設定したあとは、ドラッグ&ドロップで2本目以降を生成することをオススメします。

Man
月足はECとSC、週足はEC, SC, PC、日足はEC, SC, PC, MC, TC……というように、表示させるボトムのラインを限定したほうが後々見やすくなるということですね。

EURUSDプライマリーサイクル最終結果

 最終的に↓のような結果になりました:

 気になるのは概ね2点です。

 1つ目は第1SCの第3PC(2006/7/19~2007/1/12)の間にある安値(10/9週)はPCボトムでないのか?という点です(下図):

 10/8週の安値は、7/19週の安値と比べると安値切り上がりとなっています。

 もし7/19週の足をPCボトムとするなら少し周期が短すぎる点を理由に飛ばしました(=MCボトムと定義)。

 2つ目の気になる点は第3SCの構図です。完成図では2009/8/17週、12/21週をボトムにしていますが、他にも候補が複数考えられます。

第2,第3PCボトムを動かした例です。

 ボトム候補の足が複数出た場合は一度メジャーサイクルを分析してみて、そのあと修正を加えるという手もあります。

 1PC=4MCが基本構成のEURUSDで、1PC=6MCや7MCの構成が出現したら高確率でPCボトムの位置がおかしい(MCボトムの分析がおかしい説もある)ので、その際にPCボトムの位置を修正すれば問題ありません。

作業4:メジャーサイクル(MC)の分析

 プライマリーサイクルの分析が完了したら、次はメジャーサイクルです。

 2005年11月~2007年6月までの中期サイクル1個分をメジャーサイクルで分析します。

分析用チャートは週足→日足へ

 基本周期の値の単位でお察しかと思いますが、メジャーサイクル分析で最もオススメの時間足は日足です。

 日足に変えることで、これまで引いたラインがまたズレて表示されるかと思いますが、時間に余裕があれば修正することをオススメします。

私は、ズレてたら気になる&周期をカウントする際に問題が生じるため、必ず修正しています。
最終的には4時間足レベルまで修正します(さすがに1時間足はしません^^;)。

基本的なミスを侵さないように注意

 プライマリーサイクルレベルまでならしなかったような、ありえない分析ミスが生じ始めるのがメジャーサイクルレベルだと思っています。

 よくありがちなのは、ボトム割れを起こしたのに高値を更新するようなサイクルボトムを設定してしまうことです(下図)。

 これはサイクルの同時性という原理から外れているため、原則的には正しくない形です(超例外的にあるかもしれませんが、基本的にはないと考えて分析すべきです)。

EURUSDメジャーサイクル最終結果

 メジャーサイクルの分析結果は最終的に下図のようになりました:

諸説いろいろ考えられるかもしれませんが、今回は割愛します^^;

さいごに

サイクルを元に波動を描いてみました。長期サイクル内の1個目の中期サイクルということで見事な右肩上がりな波動です。

 まず、最初に気をつけていただきたいのは、この分析結果が絶対的ではないということです。

 私自身はまあまあの出来だと思っていますが(笑)、基本的原理に基づいて分析すると、別の解も考えられます。

 重要なのは、分析した結果を元に中長期的なトレードプランを組み、そして自身の手法に沿ってトレードを行うことだと考えます。

分析の実施に向けて

 私個人の見解ですが、計画しているポジションの保有期間の長さにかかわらず、分析は最低でも中期サイクルレベルから分析することをオススメします。

 プライマリーサイクルレベルから始めても十分に思われるかもしれませんが、月足レベル(ECやSCレベル)でサイクルボトムをまず把握することで、結果的にプライマリーサイクルの分析も捗りやすくなります

中期サイクルボトムはプライマリーサイクルボトムでもあるため(サイクルの同時性)、中期サイクルを1個確定すると同時にプライマリーサイクル以下のサイクルも1個確定したことになります。

 また、サイクル周期が短いものほどボトム候補の足が増えていって難易度が上がるので、最初のうちは長期サイクル(月足)からプライマリーサイクル(週足)まで分析したら他の通貨ペアを分析するなどして、感覚を慣らしていくことをオススメします。

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