失敗ブレイクからのトレード(tff)の基本的性質とトレード戦略(1/3)

失敗ブレイクからのトレードという言葉は、ボルマン本(FX5分足スキャルピング)で登場する用語です。

意味はそのままで、「あるブレイクが失敗に終わったあとに仕掛けるトレード」のことです。

ボルマン本に限らず、ブルックス本(プライスアクショントレード入門)やその他解説書、WEBサイトでも似たようなトレード手法(「ダマシを利用したトレード」というように表現されていることが多い)が紹介されていることからも、失敗ブレイクからのトレードは非常に有用なトレード手法であることが分かります。

失敗ブレイクからのトレードが有用な理由はシンプルで、そうでない普通のトレードよりも高い勝率が期待できるからです。

失敗ブレイクからのトレードの考え方を知っておくだけで、勝率の低いブレイクに仕掛けることは減少することでしょう。

当記事では、まずは失敗ブレイクからのトレードとはどのようなトレードなのか、定義から順に追って説明しています。

そして中盤以降は具体的なトレードパターンについて解説します(実例については準備中)。

本記事は、ボルマン本(FX5分足スキャルピング)やブルックス本(プライスアクショントレード入門)の内容から得たものに対する、FXプライスアクション研究所独自の解釈が含まれています。

ボブ・ボルマン氏、アル・ブルックス氏ら本人による分析、トレード手法を学びたい方は、書籍をご確認ください。

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「失敗ブレイクからのトレード」(tff)の定義と特徴

失敗ブレイクからのトレードとは具体的にどのようなものか、そしてなぜ失敗ブレイクからのトレードという概念が存在するのか、定義を確認し、その特徴を見ていきたいと思います。

失敗ブレイクからのトレードのことを、ボルマンさんはチャート上に「tff」と記していますが、tffはFX5分足スキャルピングの原書であるUnderstanding Price Actionの目次を読む限り、”Trading Breaks for Failure“の略のようです(Bはどこに……?)。

失敗ブレイクからのトレードの定義

ボルマン本(FX5分足スキャルピング)の第7章(トレードを見送るときと、失敗ブレイクからのトレード)より、失敗ブレイクからのトレードは以下のように定義されています:

すべてのダマシのブレイクアウトが自動的に反対方向にトレードする条件を備えているわけではないことは分かっているが、だからこそその条件をはっきりとさせておかなければならない。
すべてがそろった有望なセットアップは、すぐにフォロースルーがあるかもしれないからだ。

このようにカウンターブレイクでポジションを建てることを、失敗ブレイクからのトレードと呼ぶことにする。

ボブ・ボルマン著 井田京子 訳、「FX5分足スキャルピング」(Pan Rolling)第7章より、p.210

上記の定義からわかることは、ブレイクアウトの失敗は有望なセットアップになりうるということです。

ではなぜ有望なセットアップになるのでしょうか?

各種トレードパターンを高勝率に導く

最初のブレイクで仕掛けたトレーダーは、ポジションが目標値に達する前に反転し失敗に終わると追い込まれ、カウンターブレイクが入る前後で損切りを余儀なくされます

上図では、下降トレンドにおいてブルフラッグをブレイクし、ブル派の一部が仕掛けたところを示しています(仕掛けの優劣はともかく)。

このブルフラッグのブレイクが失敗に終わると(下図)、ブル派は利確することができないまま含み損を抱え、追い込まれることになります。

その後、ベア派にとって都合の良い仕掛けパターン(例:プルバックの反転)が生じると、ベア派は一斉に仕掛け、相場が下落します。

これ以上の含み損を抱えるわけにはいかないので、ブル派は売り戻し(=損切り)を強いられます

損切りとカウンターブレイクのトレードが重なると、一方にダブルの圧力が生じることになるため、カウンター側(ベア派)にとってより有利にトレードを進めることができます。

そのため、最初のブレイクが決まったかのように見えて失敗に終わった後のカウンターブレイクは、本来のブレイクよりも高い勝率が期待できます

失敗ブレイクからのトレードという概念は、トレードが失敗に終わった人の行動が基本的に一定である(損切りせざるを得ない)からこそ存在するといえます。

失敗ブレイクからのトレードは順張り、逆張り両方ある

上記の定義の冒頭にある「すべてのダマシのブレイク」は、逆張りに限定されたものではなく、順張りも含まれます。

よって「カウンターブレイク」は、順張りのブレイクがダマシになった時は逆張り方向、逆張り方向へのブレイクがダマシになったとき順張り方向を指します。

そのため、失敗ブレイクからのトレードは順張りの仕掛けだけでなく、逆張りの仕掛けも存在することになります。

しかしながら、基本的に推奨される失敗ブレイクからのトレードの方向は、当然ながら順張りです。

逆張りは逆張りであるがゆえに、カウンターブレイク時の仕掛けに乗るトレーダーが順張りのそれと比べて少なく失敗ブレイクからのトレードの成功率が順張りより低くなってしまうからです(下図)。

もちろん、失敗ブレイクからの逆張りトレードは仕掛けてはいけない、というわけではありません。

ただ、順張りも逆張りも両方仕掛けようとすると難易度が高くなるため、どちらか一方に絞ったほうがいいと考えます(順張りを推奨)。

失敗ブレイクからのトレードが失敗に終わるのは、ブルックス本でたまに出る「ダマシのダマシ」のセットアップとなり、結局順張り側にチャンスが移ります

ダマシのダマシについて

ブルックス本を読んでいると、ダマシの足の逆方向の動きもまたダマシになる、いわゆる「ダマシのダマシ」について記述されている箇所がいくつか見受けられます。

ボルマン的記述に直すと、「失敗ブレイクからのトレードが失敗ブレイクとなった状態」という感じでしょうか。

なお、ダマシのダマシ(Failed Failure)の意味は、ブルックス本の用語集にも記載されています:

ダマシや失敗がダマシになって最初にブレイクした方向に再び進むこと。2回目のシグナルになるため、信頼できる

アル・ブルックス著, 井田京子 訳 「プライスアクショントレード入門」(Pan Rolling)用語集より、p.572

「ダマシのダマシ」の構図の典型例といえるのが、パターンブレイクプルバックです。

上図のように、ブルフラッグをブレイクしたもののダマシに終わり下落、その下落が直近安値やブレイクしたブルフラッグ付近で反発し、最終的に上昇していくパターンは、ダマシのダマシの説明と合致します。



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