「優位性のある仕掛けパターン」とはなにか?(4/4)

その3(3/4)の続きです。


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優位性がない局面とは?優位性がない場合どうするか

 さきほどの例題は、思考法の違いはあれど、Aに賭け続ける、Aに5回・Bに1回のペースで賭けるという戦略のどちらにも優位性がありました。

 では、今度は優位性がない場合について考えたいと思います。

 サイコロの目を当てるゲームに置き換えるとかなり茶番ですが、私達はFXにおいて同じような局面でも際限なくトレードに参加し、そして資産を減らしています。


例題2)優位性がない場合

あなたはサイコロの目を当てるゲームに参加します。

すべての目(1~6)が同様に確からしい確率で出る六面体のサイコロをディーラー(親)が振り、出た目を当てるゲームです。

選択肢はAとBの2つしかなく、それぞれ

  • A:奇数(1, 3, 5)
  • B:偶数(2, 4, 6)

となっており、どちらかに賭けます。

スタート時点で100P(ポイント)を所有しており、賭ける際に10Pを支払います(手数料)。

正解すると19Pもらえ(手数料を引くと+9P)、不正解だともらえません(同-10P)。

あなたはこの状況下でどのような戦略を取りますか?


 選択肢が変化し、正解時にもらえるポイントが1Pだけ減りました。

 A、Bどちらも確率が50%であることは容易にわかります。

 この場合はどのような戦略を立てるべきでしょうか?

常にAに賭け続ける

どちらを選んでも確率は50%なので、Aに賭け続けます。

その時の感覚でAかBのどちらかを選ぶ

どちらを選んでも勝率50%だから、その時のフィーリングで選びます。
ときには交互に、時には連続とかいいんじゃないでしょうか?

果たしてどちらのほうが多くポイントを稼げるでしょうか。

勝者のいない世界

 結論から書くと、残念ながらこのゲームは参加すればするほどポイントが減っていく残酷なゲームです。

 勝率はA一択であろうと、AB交互選択であろうと、最終的には5割に近い成績に落ち着きます(やればやるほど5割に収束する)。

 しかし、「勝って+9P、負けて-10P」というルールのため、確率通り1回勝って、1回負けるごとに所有ポイントは1P減ることになります。

 その結果、下のグラフのように、着実にポイントを減らしていく結果となってしまいます(下のグラフは美しいくらいに勝ちと負けを繰り返した場合における、ポイントの変化を示している):

 2つの戦略の期待値は、両方とも-0.5とマイナスです(1回賭けるごとに平均して0.5P失ってしまう)。

 このように、期待値がマイナスになる場合を「優位性がない」といいます

「何もしないこと」が勝者になるゲームがここにある

 では、このゲームの戦略の最適解は…

 そう、「ゲームに参加せず、何もしない」となります。

 ゲームに参加する度にポイントが失われるような勝負は参加しなければ良い…この考えはサイコロの目を当てるゲームだけでなく、FXにおいても非常に重要な考えです。

トレードに立ち返る

 賭ければ賭けるほど負ける、このような場面はFXにはかなりの割合において存在します。

 というのも、ある局面で5pipsの利益を得ようとしたとき、買っても売っても50%の確率で目標に到達するからです。

 マーケットの値動きの大半(約9割…とも言われているが明確な数値はない)は、50%の確率で上昇し、50%の確率で下落する「ランダムウォーク」の相場です。この相場の中でトレードを仕掛けることは、先程の「やればやるほどポイント(=資産)が減る」悪夢の仕掛けといえます。

 「勝率が5割ならば、資金は増えもせず減りもしないのではないか」と思うかも知れません。

 しかし、FXには「スプレッド」という要素があります。

 仕掛けから+5pips動いても、スプレッド分を考慮すると+4.5pipsであったり+4pipsとなります。一方-5pipsの損失は-5pipsです。

 このスプレッドの存在が、仕掛ければ仕掛けるほど負けてしまう例題2の、勝ち分の負け分の差に相当します。

 優位性のない局面で仕掛けるのは無駄な行為です。優位性のある局面でのみ仕掛けることが重要ということが分かります。

 その優位性のある局面を見つける方法(ランダムウォークでない約1割ほどの優位性のある局面を見つける方法)として、当サイトではプライスアクションを利用する…ということです。

とある場面で適当にエイッと注文して、指値と逆指値を約定値に対して5pips離して設定したら、5割の確率で利確、5割の確率で損切りということですね。

注意:「ランダムウォーク」は数pipsレベルの範囲(もっと厳密にいえばティックレベル)での話であることに気をつけましょう。仕掛けから100pips離れたところに指値と逆指値をつけた場合も勝率は5分5分…というのは間違いです(もしこれが事実ならFXで勝つことは理論上不可能で、FXは「ギャンブルマシン」と化す)。

まとめ

  • 優位性があるとは、「期待値がプラス」であるということ。「期待値がプラス」とは、狭義では「1回の仕掛け(トレード)がもたらす利益の平均値」のこと、広義では「長期的に見て資産を増やせるという確信がある」ということ。
  • 「優位性のある仕掛けが実行できる」条件は、「Aを選択し続ける」のように容易で複雑さがないということ。FXにおける仕掛けタイミングもそれくらい容易であることが望ましい。
  • 優位性がないとは、「期待値がマイナスである」ということ。優位性のない局面で仕掛ければ仕掛けるほど資産は減っていくため、仕掛けないことが重要。
  • 優位性のない場面で仕掛けないようにする方法は、「優位性がある」と判断できる局面以外で仕掛けないこと(「ただなんとなく」で仕掛けないこと)。


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