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Forex Testerに導入するヒストリカルデータの時間軸修正と質向上に関する考察(1/3)

Forex Tester
FT3向けのインポート方法はコチラFT4向けのインポート方法はコチラからご覧になれます。
当記事は、FT2向けとなっています。
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概要:無料でも最高クラスの分析/検証環境を整えられる

FX手法の検証・スキル向上用のツールとして、Forex Testerがよく用いられています。ツール自体は有料(試用版なら無料)ですが、主要通貨ペアのヒストリカルデータが2001年から現在まで無料で手に入れられ、検証だけでなく分析にも重宝します。

ただ問題点として、無料でダウンロードできるヒストリカルデータは時折質が悪く(下記参照)、分刻みの検証を行う際だけでなく、長期的な分析においても非常に大きな影響があると考えます。

今回はForex Tester内に出来る限り質の良いデータを導入するため、Forex Tester上での各種設定の紹介と、デューカスコピー・ジャパン社のヒストリカルデータの導入について説明します。

全部で2~3記事くらいに分けて投稿します。本記事はForex Testerにおける調整がメインです。

無料ヒストリカルデータ(forexite社データ)の問題点

①日足が週6本である

まず国内チャートでは、ほぼ全てのブローカーにおいて日足が週5本表示となっています。MT4でも(国内、海外問わず)最近は週5本であるブローカーが基本だと思います。

1本違うことによる問題点としてまず挙がるのは、移動平均線やボリンジャーバンドなどあらゆるインジケータの値に狂いが生じることです。

1本余計な足が入ることで、定量的な数値が日足週5本チャートと異なるのはもちろん、定性的な見た目も変わってしまいます。

ローソク足1本単位で判断するプライスアクションにおいても、中期的な判断において影響が出ると考えられます。

図1 週6本の日足チャート(EURJPY)

②MT4の時間軸とズレている(国内チャートも同様)

一般的なMT4チャートは東ヨーロッパ時間(EET、UTC+2)に設定され、夏時間(サマータイム)時にプラス1時間(UTC+3)としているパターンが多く見受けられます。時折記事中に表れるFXTF社のチャート(図2(a)参照)も同様の仕様です(2015年6月29日以降)。

一方、forexiteでダウンロードできるデータ(図2(b)参照)は(おそらく)ロンドン時間(GMT, UTC+0)のため、図2の(a)と(b)を比べると分かるように時間軸がズレてしまいます(FXTFで1:15に記録した足がforexiteでは22:15となっている)。

※これも「おそらく」ですが、どこか(2010年台)のタイミングで時間軸の修正がなされていると思われます。

(a) MT4(FXTF)の15分チャート(EURJPY)

(b) FT2(forexite)の15分チャート(EURJPY)

図2 チャートの時間軸のズレ

その他、時間軸がズレていることによる問題点として、1時間足よりも長いチャートにおいて、ローソク足の形状が変わってしまう問題が挙げられます。

③粗悪なデータ期間がある

forexiteは2001年以降から現在までという長期間の1分足データを無償で提供されている非常に有益なサイト(グループ?)ですが、時折データに問題がある箇所が見受けられます。

5分足チャート(図3)を見ると一見問題なさそうに見えますが、ギャップが空いている足が多かったり、ヒゲのない足が多いことが見受けられ、普段からチャートを見ている人であれば「何か違和感を覚える」という感想が出ると思います。

図3 5分足チャート(EURJPY)

次に同時間帯の1分足チャート(図4)を見ると、始値、終値、高値、安値が1分間全て同じ値になっている足が多数見受けられます。

1分足単位でこのような現象が現実で続くことは基本ありえません。

図4 1分足チャート(EURJPY)

問題点に対する対策法

①日足が週6本である問題の対策

タイムシフトを+3にずらす→「夏時間」は日足5本になる

データセンターのヒストリー内にある「タイムシフト」を0から3にシフトします(図5参照)。

シフトすることで3時間分だけ早く始まっていた月曜日のローソク足が0時からになり、日足が週5本に修正されます。

図5 FT2のデータセンター画面

図6は、図1の時間帯をタイムシフト+3時間修正した後のチャート画像ですが、出来高の小さい日が消え、修正されていることが分かると思います。

図6 タイムシフト修正結果(EURJPY 日足)

残念ながらこの手法では冬時間は6本のままになりますが(∵冬時間帯の金曜が1時間多くズレてしまうため)、1年のうち約8ヶ月分は改善されます。

ここ数年のチャートは上記対策実施でなぜか冬時間も日足5本になる傾向がある

図6の前半部もそうですが、ここ数年のforexiteチャートでは、タイムシフト+3時間にすると、冬時間でも週6本の日足が5本になる傾向があります。

通貨ペアにもよりますが、2014年度の冬時間あたりからは週5本になっています。

ただ、よくわからないタイミングで6本になったりと、やや不安定ではあります(図7参照、例えば赤破線の部分は週6本になっている)。

※冒頭の問題点の記述内で「おそらくどこかのタイミングで時間軸の修正がなされている」と書きましたが、そう思う理由として上記傾向が表れているからです。

図7 タイムシフト変更結果(EURJPY 日足)

②MT4の時間軸とズレている問題の対策

タイムシフトを+3にずらす→「夏時間」は揃う

MT4の場合は①の対策法同様タイムシフトを+3することで夏時間に関しては揃います

ただし、冬時間は1時間多くシフトすることになるためズレてしまいます(ズレないこともある)。

国内ブローカーチャート(JST, UTC+9)に合わせようとする場合は、タイムシフトを+9にすると夏時間は揃うことになりますが、冬時間帯に関しては日本には夏時間冬時間の概念が(基本的に)ないため、ブローカーによって導入前後でいろいろと対策方法が異なるかと思われます。

③粗悪なデータ期間がある問題の対策

良質なヒストリカルデータを上書きする

Forex Testerでは、外部サイトからダウンロードしたファイルを用いてチャートデータを更新することができます。

実際に上書きを行った例を図8に示します。forexiteデータ(図8(a))では実体、ヒゲともにない足でしたが、良質なヒストリカルデータを(図8(b))上書きすることで修正することができています。

(a) forexiteデータ(EURJPY 1分足、図4再掲)

(b) 良質なデータ(EURJPY 1分足)

図8 ヒストリカルデータの上書き結果

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次回予告

今回は良質なデータを無償提供されているサイトのひとつであるデューカスコピー・ジャパン社のデータを使用しました。

デューカスコピー・ジャパン社のヒストリカルデータを取得するには口座開設が必要となりますが(デモ口座でも可)、その手続きを踏んででもこのデータを取得することは有益だと考えます。

デューカスコピー・ジャパン社のヒストリカルデータの導入法と、導入時の注意点について検討しましたので、次回記事で紹介したいと思います。



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