短期間で複数通貨ペアを検証していこうと思っていて、今回はForex Testerでユーロポンド(EURGBP)の5分足のみを使った検証を3週間(15日)分実施しました。
表題の通り、途中で12連続損切りを食らうなどしたのですが、終わってみればおよそ7%の残高増加となりました。
本記事では12連敗したところを中心にざっくりとした検証履歴の紹介と、検証していく中で見えてきた値幅感などから、ユーロポンドをOCOで取引する際の戦略を紹介します。
検証概要
通貨ペア | EURGBP |
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時間足 | 5分足のみ |
目的 | ・トレードスキル向上 ・取引通貨ペアの選定 |
方針 | 仕掛けられそうと思った足は片っ端から仕掛ける(躊躇しない) 仕掛けと同時に指値(利確)を設定 中途半端なタイミング・根拠で利確禁止 |
スタート時残高 | 38670.56ドル |
トレード期間 | 2019/7/1~19 9:00~18:00(東ヨーロッパ時間) |
備考 | 1トレード損失1%ルール スプレッド0 指標無視 手数料なし |
手数料を設定するのを忘れてました。Forex Tester 4の手数料設定は通貨ペアごとなので要注意ですね。
たまに15分足や30分足をチラ見する程度のことはしましたが、エントリーは全部5分足でのみ判断しました。
ユーロポンドの印象について
2019/6/28~7/19、EURGBP、30分足、ツール:Forex Tester、ヒストリカルデータ:Dukascopy Japan
EURGBPは、個人的に今までほとんどトレードしたことがない通貨ペアです。
ポンドが絡んでいるので、サイクル的にも不規則な印象があります。
「欧州×欧州」の通貨ペアであるユーロポンドは、アジア時間はあまり動きというか取引量が少ないですが、欧州時間帯~ロンドンフィックスまでの間はそれなりに動く傾向があり、その時間内にトレードを行いたい個人的には好都合です。
アクシデント:証拠金が足りない
いざ検証を始めてみると、逆指値が4pips、場合によっては3.5pipsなどと近いこともあり、損切り1%ルールでロット数を決めようとすると証拠金が足りないという事態が生じました。
Forex Testerのレバレッジ設定は初期のままだから100倍かと思うのですが、100倍でも足りないとなるとユーロポンドを損切り1%ルールでデイトレードするのは現実的には厳しいのかなと思いました(証拠金を入れれば良いという次元の問題でない)。
ひとまずトレード可能な範囲の最大ロットが30万通貨くらいだったので、1ショット30枚で行うことにしました(つまりほぼフルレバ)。
検証結果
先に検証結果から紹介します。
収支 | +2564.87ドル |
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利益率 | +6.63% |
勝敗(自己判定)※ | 7勝19敗2分 |
実質的な勝率※ | 27% |
※あらかじめ設定したストップに到達:負け、残高に対して1%以内の利確:引分、1%以上の利確:勝ちと定義
取引履歴と統計データ
20pips固定で利確できたのが15日で5回、勝率はたった3割弱という内容ですが、1回の利確で損切り4~5回分カバーできる利益を取っているため、結果的に収支はプラス(+6.63%)で終えることができました。
7/3からの数日間、全くと言っていいほど動かない時期があり(以下で紹介)、そこで仕掛けまくりの損切りしまくりで一時期は資産がマイナスになったのですが、動き始めてからはコンスタントに利確でき、プラスになったという印象です。
動いているときに正確に仕掛け続けられれば、結構オイシイ通貨では?と感じました。
12連続損切りハイライト
正直こんなコンテンツを世界に公開して何の意味があるのか…と思いつつ、
現在進行系のチャートからエントリーしようとすると、こんなにいとも簡単に失敗するということを自戒を込めて紹介したいと思います。
改めて見直しましたが、ひどいエントリー、仕掛けそのものは悪くなさそうなエントリー(事前条件が悪かった)など、ひとくくりにはできない感じではありました。
質の向上が望まれます(まぁ、検証し続けるしかないのですが…)。
7/3(水)
足1:水平線を下に抜け直したあとのパターンブレイクプルバックで、上方向に2回試して2回とも反発しているため仕掛けた。
ノート(N)には「次の足がADP雇用統計だと知っていたら仕掛けなかった」と言い訳がましく明記。
実際問題、ADP雇用統計直前の足で仕掛けることはオススメできないが、とりあえず雇用統計があろうがなかろうがトレンドは継続せず損切りとなった。
足2:足1で仕掛けたポジションが損切りに終わったが、その足が再び水平線で反発したと感じたのと、ちょうど足2が調整の上昇の安値2の足だったのでミクロトレンドラインブレイクとともにエントリー。
パターンブレイクでもありプルバックの反転でもあり失敗ブレイクからのトレードでもあり、パターンブレイクプルバックでもある。
しかし、そもそも水平線の存在自体が幻だったのかもしれない、下降スイングを描くことなく損切り。N波も意識していたが…
7/4(木)
ご覧の通り、まったく動きがなくかなり細長いボックスを形成。欧州時間帯中の高値と安値のレンジがわずか14pips。結果論ながら仕掛けるべきではなかった。
こういう展開の時は前日に凄まじいスイングが生じているというような前提条件がない限り仕掛けない方針でいこうと思った(別通貨ペアでトレードすれば良いという話)。
足3:上位足で考えるとバーブワイヤー的展開がなされている中で、上方向のブレイクが失敗に終わった後のボックス再突入でエントリー。
分類としては失敗ブレイクからのトレードで、その中でも最も積極的な仕掛けパターン。
シグナル足が上影陰線のアウトサイドバーになっていることも好感触だったが撃沈。
7/5(金)
足4:早朝につけた安値をブレイクした後のパターンブレイクプルバック。昨日の展開が続いているのか、下落せず損切り。
足5:損切り直後、再び水平線を下抜けしたところで仕掛け。仕掛け足は安値1だったのでもう少し待つべきだったかもしれない(どちらにしても失敗するが)。損切りが浅いことだけがプラス材料。
足6:上昇トレンドラインのパターンブレイクプルバック…ではあるが、上位レベルの流れは上で、上昇トレンドが終わったという展開ではないので仕掛けるべきではなかったかもしれない(悪くないのかもしれない)。
どちらにしろ失敗。
足7:ウェッジ形状の波動から下抜けし、プルバックした後の安値2の足で、これもパターンブレイクプルバック調の仕掛け。即死ののち下落(仕掛けがワンテンポ早かった…といえば聞こえは良いが)。
7/8(月)
0.895~0.9の50pips内の攻防が続く。
足8:直前に上昇スイング(17pips)が確認できるあとの高値2の買い。直近高値がボックス上限だったか、継続せず損切り。
前提が悪くなければ仕掛けとしては良かったと思うが、今思えばもう少し過去の流れを意識しても良かった。
足9:ちょうど安値2だなと思いつつ仕掛けたプルバックの反転パターン。今度はボックスの下限で反発して損切り。
足10:ビルドアップが確認できる中でのパターンブレイク。正直これは直近の流れからしても悪くないかなという印象。
足9のポジションがまだ残ってて1万通貨すら約定できない状況だったため、0.3枚(3000通貨)のみエントリーするも失敗に終わる。
7/9(火)
0.9に迫る展開で、ここ数日の中では最もトレンドが強かった。それでもせいぜい約35pipsの上下幅しかない。
足11:2本前の足がパターンブレイク足、そして1本前の足がその継続性を見せるパターンブレイクコンビ足と「錯覚」してエントリーしたが、どう考えても逆張り。
普通ならとりあえず買い場だけを探す場面だった。連敗が祟ってきて、とりあえずラインブレイクしたら入っちゃえくらいの感じか。
足12:そこそこ意識されてそうな上昇トレンドラインブレイク後のもみ合った展開後のプルバックの反転兼パターンブレイクっぽい足。
1pipsも伸びずに損切り。
7/10(水)
足13:トレンドラインブレイク後のパターンブレイクプルバック……らしいが、これも正直どうなん?ってレベルの仕掛け。
しかも20pips抜けず、ダマシの安値の後のネックラインブレイクで半分利食い。残りは更にダブルボトムブルフラッグブレイク後に利食いで終了している(資産に対して約0.8%の利益なので引分相当)。とりあえず決済に関しては規律通りなのでよしとしたい。
一応連敗はここで途切れた。足14はパターンブレイクでの仕掛けで(包み足であることを良しとした)、さっき利食いした分のロット数でエントリーしたが失敗。
検証で見えてきた戦略
今回の結果を受けて、EURGBPはそれなりに実用的な(利益を狙える)通貨ペアであると感じました。
実際にトレードする際の資金管理ルールについて考察します。
指値を入れるなら20pips程度が妥当
連敗続きの後、ようやくうまくいったパターンブレイクの仕掛け例(2019/7/11)、これで20pipsの値幅
うまくいったトレードについて見直しても思うのは、指値を入れるなら20pipsくらいが妥当だということです。
何らかの理由で一方に傾き、値動きが出たとして、ワンスイング25~30pipsくらい…というのがEURGBPのよくある値幅だと感じました。
そこからスイングの始点からエントリーまでの差分を引いた20pipsくらいが狙い目かなと思います。
15pipsだと勝率はそれなりに上がると思いますが、この5pips分近づけることで総合的な収支は果たして増えるかな…?と思います。
もちろんその辺はもう少し期間を長くして要検証ですが……。
逆指値はブルックス的に設定
「pbp?」と書いている足、結局仕掛けられなかったが、仕掛けていたらストップまで3pipsくらい(スプレッド考慮しても4pips程度)で済む(2019/7/12)
逆指値は、ブルックス本にあるようにシグナル足に対して少し離したところに置くのが合理的だと感じます。
ブルックス本的なトレードの損切りルールだと、ユーロポンドは他通貨と比べて圧倒的にストップを近く置くことになります(∵値幅が狭い)。勝てるのはランド円くらいだと思います。
場合によっては、スプレッド込みでストップまで3pipsくらいの仕掛けも生じるかもしれません(+20pipsまで伸びればRR比は7弱)。
固定で行くなら5pipsか6pipsくらいだと思います。4pips固定だとシグナル足よりも近い位置になることが多くなると思いますし、EURUSDの推奨と言われている10pipsだとRR比が2になるため(利確を20pipsにする場合)、1勝1敗程度のペースが求められるため、心理的にまあまあ厳しくなると思います(偶然凪の相場を引いたとはいえ、勝率27%だったんで^^;)。
最低でもリスクリワード比3以上は狙いたい|3以上も十分狙えそう
ストップまで5pips、指値20pipsだとRR比は4となり、1勝4敗でもトントンになる計算なので精神的に相当楽にトレードができると考えます(流石に12連敗まで行くと精神的にはキツいだろうと思いますが…)。
3週間分検証した印象としては、EURGBPはストップまで7pipsを超えるような仕掛けはストップが遠すぎるという印象を受けました。
ストップまで6.6pips、指値20pipsでRR比3となるため、損切りの最低ラインはこのあたりかなと思います。
EURGBPを5分足でトレードするなら、6.6pips(6pips)を超えるようなトレードは基本見送りという方針でいきたいです。
途中で決済する条件はできるだけキツめに|極力指値か逆指値に終わって完結するトレードを目指す
どの通貨ペア、通貨時間に限らず、私自身すべからく頭に残るのが「こんなところで利確しなければ、最終的に目標値に到達してたのに」というトレードです。
これをできるだけなくしたほうが当然ながら利益は増えますし、利確しなかったことで損切りに達してしまうトレードが増えたとしても総合的にはプラスになるだろうという感覚はあります。
今回の検証では、おおむね以下の条件以外では決済しないよう心がけていました:
- ダブルトップ(右山がダマシの高値)or H&S形成後、ネックライン or ベアフラッグをブレイクした
- ダブルボトム(右底がダマシの安値)or 逆H&S形成後、ネックライン or ブルフラッグをブレイクした
- トリプルゼロ到達時、20pips手前まで利が乗っている
- N波動(メジャー度ムーブ)を達成した
- 上位時間足で意識されてそうな水平線を2回試して2回失敗した
※H&S:ヘッドアンドショルダー
ポンド円では、ツーレッグ形成完了と解釈できる、安値2とか高値2で部分利確したりすることを基本としていましたが、結果的にチキン利確みたいなことになることが多く、これも結局のところ検証が不足していたからこそそういう利確しかできなかったのかなと思います。
上記程度の条件にとどめておいたほうが結果的にトレードの執行が楽になりますし(規律が守りやすい)、感情に煽られたかのような決済(≒チキン利確、損失を減らしたい一心だけの決済)をすることもなくなります。
勝率は下がるかもしれませんが、資産残高が増えるならそれでいいというスタンスです(勝率は、評価されすぎた指標)。
さいごに
今まで検証してきた通貨ペアとは少し毛色の違う通貨ペアでしたが、「一応通用するっぽい」ということを短期間の検証ですが実感できました。
そして、決済ルールはより限りシンプルに、そして規律を守り抜くことで低勝率でも十分利益を挙げられる可能性を実感できたのが大きかったです。
EURGBPはブローカーにもよりますが、スプレッドが1.0pips前後なためポンド円(GBPJPY)よりも狭く、ポンド系でトレードするならポンドドル(GBPUSD)と並んで実用的な通貨ペアだと思いました。
もう少し目を養って失敗エントリーを減らすことができれば、相当な利益をもたらしてくれそうな通貨ペアだと感じたので、追々検証を行っていきたいと思います。
次はAUD系をやろうかなと思ってます。AUDJPYかAUDUSDのほぼ2択ですね。
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