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「優位性のある仕掛けパターン」とはなにか?(3/4)

その2(2/4)の続きです。

ギャンブラー的思考による例題の結果に対する心理的反応

 ギャンブラー的思考では、AとB両方に賭けていたため、その結果パターンは4つになります。


A(高確率)に賭けてAが正解になった場合

 期待通りの結果(冷静)。

B(低確率)に賭けてBが正解になった場合

 6分の1で起こることをドンピシャで当てられて最高の気分高揚感)。

 自分は他人にはない才能があるのかもしれない(錯覚

B(低確率)に賭けてA(高確率)が正解になった場合

 仕方ない。もともと低確率(6分の1)の事象を当てようとしているのだから(「トレーダー的思考」において、高確率に賭けて低確率なことが起こったときと同様の納得)。

A(高確率)に賭けてB(低確率)が正解になった場合

 この前はBに賭けて当たったのに外した(偶然

 正直そろそろBが出ると思っていた(錯覚

 自分がAに賭けた時に限ってBが出るとか腹が立つ(怒り

 どうせ次Bに賭けたらAになるんだろう(被害妄想戦略破綻の序章


 ギャンブラー的思考はさまざまな感情を引き寄せます。

 ギャンブルにハマり、依存症になって借金を抱えても辞められなくなる理由は、いつの間にか結果よりも高揚感を追い求めるようになって、期待値がマイナスの賭けをし続けるからと考えます。

 このようなタイプの人は、気がついたら当初の戦略が変わってAとBの賭けるペースが同じになったり(むしろBのほうが賭ける回数が増えてくる)、Bを賭けるときにより多くの額(ポイント)を賭けるようになります(より強い高揚感を求めるため、今回のルールではできないが)。

 その結果、気がついたら期待値がマイナスになるような賭けを行ってしまい、雪だるま式に負債が増えていき、いずれポイントは0になるでしょう。

感情は繰り返すごとに増幅し、いずれ爆発する

 予想を外すことが増えるにつれ、上記の内容(怒りや錯覚)はさらにエスカレートしていきます。思考は繰り返せば繰り返すほどその人の中で「確信」として植え付けられるからです。

 やや極端な人の例かもしれませんが、以下のようになる可能性は十分に起こり得ます:


A(高確率)に賭けてAが正解になった場合

 自分がAに賭けたんだからAになるに決まっている(妄想

 最初からずっとAであり続けろ(強欲

B(低確率)に賭けてBが正解になった場合

 当然の結果(納得高揚感は薄れている

 自分がBに賭けたのだからBにならないとおかしい(錯覚

B(低確率)に賭けてA(高確率)が正解になった場合

 ディーラーがなんらかのイカサマをしているに違いない(疑心

 サイコロに細工がされているのではないか(疑心

 自分がBに賭けたからAになった(被害妄想

 当たるまでB(低確率)に賭けてやる優位性の破綻

A(高確率)に賭けてB(低確率)が正解になった場合

 ディーラーは自分がAに賭けたからBになるように仕向けた(被害妄想

 ディーラーは自分が勝てないようにサイコロを振っているに違いない(被害妄想

 ディーラーがこっちを見て鼻で笑った(幻覚

 確率なんて所詮机上の空論にすぎない(数学の否定

 運命は自分の存在を否定している(自己否定


なんか最後の方の思考は危ない人にしか見えない…

 トレードはギャンブルではありません

そのことを納得し、ギャンブラー的思考からトレーダー的思考に転換する必要があります。

「悪しき成功体験」がもたらす悲劇

 トレーダーがギャンブラー的思考に陥ってしまう要因のひとつが、「低確率で起こることを当てたとき」です。

 低確率で起こることを当てだすと、あたかもその低確率な事象が数値以上に高い確率で起こりうるように錯覚してしまい、そして確率通りに起こる低確率な事象に少しずつポイント(資産)を失われていくのです。

 私はこの過程の冒頭部分を「悪しき成功体験」と定義しています。

 本来成功するべきでないことを成功してしまったが故に、そしてその時に得た高揚感を再度手に入れたいが故に、低確率のことを当てることに心血を注ぎ始め、「ポイントを増やす」目的で行ったはずのゲームが「低確率を当てる」ものに変わっていき、ギャンブラー的思考に陥っていく…と考えています。

サイコロの数字を予想するのに才能など必要ない

 低確率の事象を当てると、極端な表現をすると「天に魅入られている」とか「自分には才能がある」と錯覚してしまいがちです(もちろんそうならない人もいます)。

 しかし、たかがサイコロの数字当てゲームに才能など一切必要ありません

 必要なのは確率の計算と期待値の算出だけです。

 つまり、勝負を始める前に勝負が決まっている必要があります(例題だと、「Aに賭け続ける」という戦略を確定させること)。

何事も起こりうる

 Bが起こる確率(サイコロを振って1が出る確率)は6分の1(16.67%)ですが、2回連続Bになること(36分の1:2.78%)も当然起こり得ます。もちろん3回連続Bになること(216分の1:0.463%)もあり得ます。

 確率統計上は極めて低い確率ですが、分子に1以上の数値がついている限りそれは起こる得るものとなります。

 確率を学んでいくと1%以下のことは「実質起こらない(=0%に近似できる)」と考えてしまうかもしれませんが、そこは大きな間違いです。

 「何事も起こりうる」…このことは頭の片隅に置いておく必要があります。

 そして、何事も起こりうることを想定した資金管理が必要になってくる…ということもいえます(このことは資金管理の章で説明します)。

余談:いろんな確率

・6回サイコロを振って6回ともA(2~6)が正解になる確率

 33.5%

 →Aに賭け続けていれば、33.5%の確率で6連勝ができる

・6回サイコロを振って5回A、1回Bが正解になる確率

 40.2%

 →意外と低い(?)ように見えますが、1番確率が高いパターンです(2番目は全部Aが正解となる33.5%)

・6回サイコロを振って6回ともB(6)が正解になる確率

 0.00214%(46656分の1)

 →ほぼあり得ない(でもあり得る)



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