スポンサーリンク

「優位性のある仕掛けパターン」とはなにか?(2/4)

その1(1/4)の続きです。

6回に5回はAに、6回に1回はBに賭ける場合

 一見理にかなっているように感じるこの戦略ですが、残念ながらAを賭け続ける戦略よりも勝率・期待値ともに劣ります

 結論だけ書くと、この戦略の勝率は72.22%(常にAに賭ける場合と比べると11.11%低い)で、期待値は4.44(常にAに賭ける場合と比べると2.23低い)となります。

 一応期待値はプラスなので「優位性のある仕掛けパターン」ではありますが、6.67の期待値を叩き出す「Aに賭け続ける戦略」よりも低くなっています。(下図参照)

計算法(省略可)

※「答えだけでいいよ」という方は、飛ばしていただいて構いません。

勝率

83.33%の確率で起こること(サイコロを振って2~6が出る確率)を6回中5回の割合で賭けて当たる確率:5/6 × 5/6 = 25/36 ≒69.44%

16.67%の確率で起こること(サイコロを振って1が出る確率)を6回中1回の割合で賭けて当たる確率:1/6 × 1/6 = 1/36 ≒ 2.78%

よって、6回に5回はAに、6回に1回はBに賭けたときに当たる確率は69.44 + 2.78 = 72.22%

期待値(計算例)

36回ゲームを行うと、30回Aに、6回Bに賭ける計算になる。

30回Aに掛けた場合の確率上の稼げるポイント:200P(勝ち25回:250P、負け5回:-50P)

6回Bに掛けた場合の確率上の稼げるポイント:-40P(勝ち1回:10P、負け5回:-50P)

よって、30回Aに、6回Bに賭けた場合の確率上の稼げるポイント:200-40 = 160P

期待値(確率上のゲーム1回あたりで稼げるポイント)は160/36 ≒ 4.44

「ギャンブラー的思考」…それは戦略をより複雑にする悪魔の思考

 6回中5回はAになるが1回はBになる、つまり、6回中Aに5回、Bに1回のペースで賭ければ勝率100%が狙える…むしろ、そのように賭けないと100%になれない…

 そもそもずっとAに賭けていたら、勝率100%になれない…トレーダーたるもの100%を狙うべき、そしてそれを手中に収めてこそ「最強のトレーダー」なのだ…

 このような考えを持ったトレーダーは少なからずいらっしゃると思います。

 しかし、この考えは大きな間違いです。

 上記の考えはトレーダー的思考ではなく、「ギャンブラー的思考」と私は考え、定義しています。

 時には確率の概念を突破し、そして確率を超える勝率(期待値)を手に入れられるかもしれません…それはとてもロマンがあります。

 しかし、トレードにロマンは不要です追い求めるべきは「期待値」であり、それに付随するのが「勝率」や「一貫性」というような概念です。

心理的な考察

 「トレーダー的思考」と「ギャンブラー的思考」…この2つの思考によってもたらされる心理的な動作について考察します。

 なぜ、トレードにギャンブラー的思考を持ち込むのが悪なのか…それが期待値の良し悪しだけでなく、破滅への思考であるから(経済的にも人格的にも)ということを理解していただければと思います。

 主観的な意見が入っていますが、書いてある内容は大方みなさんも経験済なのではないかと思います(もちろん私はなんらかの形で何度も経験済)。

トレーダー的思考による例題の結果に対する心理的反応

 トレーダー的思考では「A一択」のため、想定される結果パターンは2通りです。


A(高確率)に掛けてAが正解になった場合

 期待通りの結果。なぜなら83.33%という確率上優位性が高い選択をしているのだから(冷静)。

A(高確率)に掛けてB(低確率)が正解になった場合

 6分の1(16.67%)で起こることが起こってしまった。仕方がない納得)。


 以上のように「勝負の結果を確率で理解している」ため、結果に対して動揺や怒りという感情は湧きません

 賭けが外れても「仕方がない」と受け止めることができるようになり、淡々とAに賭け続けることができます

 このような心理状態が保てていることを、一般にゾーンに入っている状態と定義されています。

 マーク・ダグラス氏の著書「ゾーン」もいわばこの状態をつくることを目的とした本といえます。

 余談ですが…さらに上級者になると、このような考えを持つことができるかもしれません。

2回連続Bになった場合(連続不正解)

 6分の1で起こることが2回連続…つまり36分の1で起こることが今起きた。めっちゃ珍しいものが見れた。2連続で外れちゃったけどなんか逆にワクワクする。次またBだと216分の1のことが起こったことになるのか。それはそれで楽しみだが次も当然Aに賭ける



コメント