「プライスアクショントレード入門」の読み進め方についての考察

 スター・ウォーズシリーズの最新版(エピソード8/最後のジェダイ)が今月劇場公開された、と私の周辺でも話題になっています。

 スター・ウォーズの「話の時系列」は「劇場公開順」とは異なるそうで、劇場公開順にシリーズ番号を書くと4→5→6→1→2→3→7→8→(9)となるようです。
※エピソード9は2019年公開予定、「ようです」と書いたのは、私がスター・ウォーズを一度も見たことがないため

 「スター・ウォーズシリーズをどういう順番から見るのが良いか?」という問いに、ファンの間では劇場公開順である「4→5→6→1→2→3→7→8」派の方と、話の時系列順である「1→2→3→4→5→6→7→8」派の方で分かれるそうです。

 また通の人は「4→5→6→1→2→3→4→5→6→7→8」という方もいらっしゃるようです。「1から3を見た後に最古の4を見ると、『CGのショボさ』が目立って見る気が無くなるからオススメしない、けど時系列で見るべきだと思うから一旦初期の映像を見て慣れておくべき」という理由などがあるそうです。

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ブルックス本の1つ「プライスアクショントレード入門」の読み進め方を考える

今回の対象は左の「プライスアクショントレード入門」

 さて本題に戻りますが、「プライスアクショントレード入門」は15章+α(序文、トレードの指針)という非常に冗長な構成になっています。

 一般的に本を読む場合、第1章から順番に最後まで読んでいくのが常識だと思います。しかし、一部の本には「早く本題に入りたい人は3章から読んで欲しい」とあったり、「第2章~第4章までは大学レベルの知識を必要とするため、難しくて分からない人は結論だけを示した第5章から読んでくれて構わない」という本があったりします。

 一周読んだ限り、「プライスアクショントレード入門」はどちらかというと上記で言う後者側(一部の本)に属すると考えています。

 その理由として、話の内容は全編においてあくまでトレード(プライスアクション)の話が記述されていますが、各章における内容は真逆(順張りと逆張り)となることもある点(同時に習得しようとすると互いの知識が干渉しあって習得しづらい)、内容量が豊富であるが故に1から順に読んで最終章を読み終えた頃には、序盤の内容が抜けてしまう可能性が高い点(そしてまた1から読むと終盤の内容が抜けてしまう…を繰り返して効率が悪い)が挙げられます。

 効率良く「プライスアクショントレード入門」に散りばめられたトレードの知識を習得するにはどうしたらいいかを考察したので、以下に示したいと思います。

本記事の読書法によって目指すトレーダーの方向性

最後のページ数は「579」と大ボリューム

順張りトレーダー→オールラウンダー(順張り、逆張り両方張る)

 まずは正攻法ともいえる順張りから習得し、順張りがある程度形になったと思ったら逆張りの習得する、というプロセスを考えた上での内容になっています。

各章における内容の方向性

 まずは各章がどのような内容になっているかを整理します。
 ※あくまで個人の見解です

序文、第1章~第3章:相場観、環境認識

 インジケータを捨て、長年ローソク足を見続けたブルックスさんが行き着いたマーケットの真理のようなものと、一般的にも言われているような環境認識についての記述がメインです。

第4章~第6章:トレード(プライスアクショントレードそのもの)の基本

 順張りがメインで、シグナルや仕掛けといったプライスアクショントレードの概念が書かれている印象です。
 と言いつつも、逆張りの要素も含んでいます(例えば第4章内、「2HM-2時間以上EMAから離れていれば、EMAと最初のEMAギャップ足で逆張りする」)。

 この本の金塊の多く(約半分)は、ほぼこの範囲(第4章:プルバック、第5章:トレーディングレンジ、第6章:ブレイクアウト)に埋まっていると私は考えています。
 ブルックスさんも第5章:トレーディングレンジ内の「バーブワイヤー」の項において、「この項は、本書のなかでも最も重要な情報が書いてあるため、注意深く読んでほしい」(p.223)という前置きを入れたりしていることからも、(少なくても第5章の)重要性が伺えます。

 また、高値1, 2, 3, 4の説明も第4章の中で1つの項として記述されており、ブルックス流トレードを習得・理解するために読解不可欠な内容となっています。

第7章:宗教的(?)観点

 うまく文章化できる自信がないのですが、第7章はプライスアクションにおける「宗教」のようなものです。N波動(ABC調整)やフィボナッチ・リトレースメントを駆使したレートの値動きの終着点の考察について書かれているという感じです。

 ブルックスさん自身は、フィボナッチなどを利用したレート予想にかなり懐疑的なようで、「そういうもの(レートの終着点)自体全部プライスアクションを読んで判断すればいいじゃないか、そもそも61.8とか言ってるけど単に約60でいいじゃん」というような意見を持っていることが伺えます。

第8章、第9章:やや高難易度な分析、トレード

 このあたりから徐々にカウンタートレンド方向のトレード(=逆張り)についての手法に重きが置かれ始めます。環境認識の要求レベルが上がるため(失敗の失敗を狙うなど)、難易度も高いと考えます。
 読んで損することはないですが、順張り思考を根ざす上ではまだ読まなくてもいいかなという風に考えます。

 逆に、逆張りメインでトレードしたい人は読むべき項目です(そして「トレンドラインがブレイクするまでカウンタートレンド方向に仕掛けるべきではない」旨の記述を見てどう感じるか)。

第10章~第14章:おまけ(FXと関連が薄い要素)

 「プライスアクショントレード入門」の大半はEミニ(E-mini S&P 500)という株価指数先物をメインに説明しているため(本のどこかに一枚くらいユーロドルのチャートが出ます)、第11章のタイトルである「最初の1時間」といったFX(外国為替証拠金取引)とはやや異なる要素(強いて言えばFXにおける「最初の1時間」は月曜のオープンくらいか?)である内容も書かれています(とはいえプライスアクション自体は、先物だろうとFXだろうと変わりなく存在する)。

 本サイトは基本的に「FX」について取り扱いたいと思っているため、この範囲は「おまけ」に近い内容だと思っています。
 ただ、共通して言えそうな内容もあり、「結局1分足や3分足よりも、5分足の方がいいよね」という旨が書かれた第10章(デイトレード)や、「日足だろうと週足だろうとプライスアクションは機能しているね」という旨の第13章(日足、週足、月足のチャート)はFXと近いような気がします。

 しかし、それ以上のことをこの章から読み取る必要はないかなと個人的に思っています。

第15章:手法まとめのようなもの

 総集編のようなものです。ここには順張り・逆張り関係なく、仕掛けられると思われる箇所は全部指摘しているため、「最高のトレード」であることに間違いないかもしれないですが、「とりあえず順張り一辺倒で勉強したい人」が読むべきではないかなという風に思っています。

トレードの指針:格言集のようなもの

 ゆるい書き方をすると「トレーダー(トレード)あるある」みたいな内容です。
 ふとした時に読むと思わぬ金言が見つかるかもしれません。とりあえず一読して損はない内容だと思います。定期的に読むといいかもしれません。

当サイトが考える「プライスアクショントレード入門」攻略手順

「序文」は序、「トレードの指針」は針と書いています。括弧は「読んでも読まなくてもどっちでもいい」というようなニュアンスです。

1周目

序→1→2→3→4→5→6→(7→8→9→15)→針

 上記で書いたように、10~14章はFXに対してはやや外れた内容のため、読み飛ばします。
 とりあえず上記の一文で示したような内容だろうなくらいで思ってもらっていいと考えています(もちろん読むと内容はもっと深いですが)。
 7~9章はひとまずどちらでも良いとしています。

 手順には入れませんでしたが、冒頭から「高値1」などのブルックス独自用語が出てくるため、先に用語集でや第4章の「高値1、2、3、4と安値1、2、3、4」を読み進めておくと、読みやすくなるかもしれません。

2周目以降

(1→2→3→)4→4→4→5→5→5→6→6→6→…
もしくは
(1→2→3→)4→5→6→4→5→6→4→5→6→…

 1つの章を繰り返し読むことで、1項目ごとの理解力を深めていくことができると考えます。また、4→5→6のように順番に読むことで、ある章を読んでいる時に別の章のことが分かったりすることもありますので、このあたりは臨機応変に自分のいいと思う方法を試すのがいいと思います。

 とりあえず重要なのは4~6章にあると思いますので、10~14章を読むことに時間を割くくらいならここを熟読することをおススメします。
 特に重要な項と思うのは、第4章の「高値1、2、3、4と安値1、2、3、4」、第5章の「バーブワイヤー」、第6章の「ブレイクアウトプルバックとブレイクアウトの試し」です。「バーブワイヤー」の項目の中に高値2や安値2の記述がバンバン出てくるので先に「高値1、2、3、4と安値1、2、3、4」の内容からマスターするべきです。

 1~3章は必要に応じて読み返せばいいと思います。
 あと手順には入れていませんが、トレードの指針も何かのタイミングで読むといいような気がします(例えば10分だけ時間が空いた時など)。

4~6章の理解度が深まった後

8→9→15→8→9→15→8→9→15→8→9→15→…
もしくは
8→8→8→8→9→9→9→9→15→15→15→15→…

 あまり多くのことを同時に覚えようとするのは避けて、1つずつ理解していくほうがいいと思います。
 そのため、やや難易度が高いと思われる8, 9章はひとまず後回しにしました。4~6章が理解できてからでいいと思っています。

「忙しい人向け」?

 今自分が「忙しい」と思っている人は、そのビジーな状態をクリアにすることを優先したほうがいいと思います。
 そもそも「忙しいから本を読むことすら忙しい人向けのものを求める」状態でトレードに臨むことは難しいと考えます(もちろん忙しくてもトレードは行えるが、その質の問題)。

結論(ひとつの例)

序→1→2→3→4→5→6→8→9→針
→(1→2→3→)4→5→6→4→4→4→5→5→5→6→6→6
→8→9→15→8→9→15→8→8→9→9→15→針

※時折「針」を随時挟む、適宜用語集を読む、括弧内は4~6章を読んでいく中で不明点が多かったら読む

効率アップのための対策

 「プライスアクショントレード入門」は英日翻訳された本ですが、その原書である「Reading Price Charts Bar by Bar: The Technical Analysis of Price Action for the Serious Trader」(Amazon公式サイト(Wiley.comにて本に掲載されているチャートのダウンロードが可能です。
 公式サイト中段の「Downloads」で各章ごとの図をダウンロードできます。

 チャート(図)はPCモニターに表示、文章は本で読むようにすると、ページを何度もめくる手間が省けて読み進めやすくなります。

さいごに

 結果的にスター・ウォーズの視聴ルートを遥かに凌ぐルート量になってしまいました(さすがにスター・ウォーズで「同じシリーズを複数回連続で見ろ」という人はあまり見かけない)。

 私の現状は「4→5→6→4→5→6…」のところまで進めています。この記事を書くに当たりもう一度ざっと読み通しましたが、4~6章が順張りに特化した内容でなければ、8, 9章が逆張りに特化した内容でもないことに気づけたので良かったです(あらかたそんな感じだとは思っていますが…)。

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